Shell Blog~環境衛生のエキスパートたちが書く、モノやコト~
2014.07.09
前回の続きです。
以下に「超」純水の一般的な製法を簡潔にお話します。
1.まず純水を製造します(一次純水と呼ばれます)。
2.一次純水を加熱後脱酸素工程を経て、菌の増殖を抑えます。
3.冷却を行い、微量の有機物を酸化分解します。
4.混床イオン交換樹脂を通し、イオン化された有機物を除去します。
5.限外ろ過膜を通し、紫外線で低分子化しきれなかった
有機物や微粒子・生菌を捕捉します。
(使用目的によっては、他の工程もあります。)
その後用途に応じた最終処理工程を経て、使用場所へ送られます。
超純水は空気に触れさせたり、
配管やタンクなどの中で停止させる事ができません。
いかに清浄であっても、空気に触れると空気中の成分が溶け込み、
また流れが止まると配管がいかなる材質であっても
管壁から微量の不純物が溶け出したり、
貧栄養状態でも生育可能な微生物が発生する恐れがあるためです。
それゆえ通常は、精製装置から得られた直後に消費されます。
さらに超純水はガラス容器等も溶解してしまうため、
別名「ハングリーウォーター」とも呼ばれています。
過去に「何でも溶かす薬」を想像したことがありましたが、
それに近いものが水からできることに衝撃を受けました。
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